介護の知恵袋 care-answers

2017.4.03

シリーズ介護教室(認知症ケア編③)

認知症について

~自分らしく 幸福に生きるために知っておきたいこと~

 

今回は「認知症の症状に対する対応・介護方法」の基本的な実践法をご説明いたします。

 認知症高齢者の症状や行動はさまざまなものがありますが、大きく2つの特性に分けて考えてみます。

 一つは、「事実の誤り(現実の取り違え)」、二つ目は、「失敗行動」です。

 各々の問題が起きた時は、下のような原則で対応します。このような考え方のもとに具体的な症状、

行動について示しています。認知症ケアで心掛けることは「自尊心を尊重すること」と言われています。

 

(認知症の症状・行動)

 

 

 

『事実の誤り(現実の取り違え)』

・財布などを盗られたと疑う

・実現しないものが見えたり聞こえたりする

・人を取り違える

   ⇓

『失敗行動(介護者負担が大きい

・失禁

・徘徊

・不潔行為

 

           

 

 

 

 

『失敗行動(介護者負担が大きい)』

・否定しないこと

・話題、場面を少しずつ変え、関心をそらす

・その方の認識に合わせる

   

『失敗行動に対する行動の原則』

・叱ったり、説得しないこと

・禁句「だめじゃない」「いけません」

・行動の動機や背景を考え、それを満たす

 

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(症状1)財布や通帳など大事なものを盗られた(物盗られ妄想)

   認知症高齢者が「財布がなくなった」等、大事にしているものを盗られたと騒ぎ出したとき、たいてい最初に疑われるのが身近な家族であったり、介護者の場合が多いようです。介護者にとっては身に覚えのないことを疑われてはショックなのですが、こういう場合、興奮して言い返すのは禁物です。自分の気持ちを落ち着かせて、無くしてしまったご本人自身が一番、困っているのだということを理解してあげる事が大切です。

 基本的対応

・自分が疑われたとしても「自分は盗っていない」と言い返したり興奮してはいけません。      

・自分の気持ちを落ち着かせて、無くした本人が困っているのだと理解しましょう。

 具体的対応

・一緒に探す事を提案して行動を起こしましょう。

・入れる場所を決めておきましょう。

・探しても無いことが分かっているものや、毎回時間をかけると大変な場合は、別の代用品を用意しておき渡して納得してもらいます。

・財布などは小額を保持し、あとは施設側で管理しましょう。

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(症状2)存在しないものが見えたり聞こえたりする。(幻覚)

 実際には、何もないのに何かが見えたり、聞こえたりして、不安がったりすることがあります。

 常識からすると、誤りを訂正するのが正しい対応ですが、認知症高齢者には、このような常識は通用しません。実際に見えて不安がっているのだという気持ちを受け止めて理解しようという姿勢が大切です。

 

(例)夕方や夜間、天気の悪い日、昼寝の後、体調不良の時、視力障害や聴覚障害のあるときなどに、実際にないものが見えたり聞こえたりする。

    ⇓ その場で対応

訴えを受け止めましょう。

(本人には見えたり、聞こえたりしているので否定はしない。)

話のつじつまを合わせましょう。(※おさまってからの日常から対応)        

本人が嫌がっているものが、見えるようなら追い払ったり、片付ける格好をしてみましょう。

         

        証明の工夫によって部屋を明るくしましょう。

        幻覚を誘発しているものがあれば取り除いておきましょう。

          視力・聴力の障害があれば調整しましょう。                                  

禁句

「そんなもの見える(聞こえる)わけがないでしょ。」              

「何も見えないし、聞こえません。勘違いでしょ。」

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(症状3)食事をしたのに「食べてない」という。

 食事をしたのに「食べていない」といって何度も食べ物を要求するのは、食べたことを忘れてしまう、また脳の満腹中枢が障害されている、欲求不満を食べることで満たそうとした結果起こるものです。「いま食べたでしょ」といっても本人は納得できないのです。

 「これから準備するところだから、もう少し待っててね。」と言ったり、おやつ等を提供する等して食べることの満足感や期待感を満たしてあげることが大切です。

 

   何度も食べ物を要求する。   

   (食べたことを忘れる場合)  

         ⇓ 原因を考える

   満腹中枢が障害を受けている

   欲求不満を食べることで満たそうとしている。

 

「さっき食べたばかりでしょ」といって納得させようとしない。

         

次に食べられる時刻を示してあげましょう。食事の支度中である事を話してあげましょう

 (それでも要求する場合)

         

おやつ等の提供して、食べることの満足感を得てもらいましょう。

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(症状4)あてもなく、歩き回る。外に出ようとする。(徘徊)

 あてもなく、歩き回ったり、外に出ようとする徘徊の対応は、介護者にとって大きな負担となります。しかし認知症高齢者には、それなりの理由が必ず存在します。徘徊の原因、欲求を冷静に考えて対応していきましょう。

 基本的対応

・行動の制限はしないようにしましょう。

・どこに行こうとしているのか、何をしに行こうとしているのか理由を聞き出しましょう。

・理由が分かれば、可能な限り、気持ちに添って対応します。

・少しずつ、意識をそらすようにコミュニケーションを展開していきましょう。

・高齢者の自尊心の尊重とペースを合わせることが大切です。

 具体的対応

・「どこへ行くのですか?よかったら、一緒に行きましょう。」と声をかけ、行動理由を探ります。

・「家に帰りたい」という理由であれば、「家には誰かいるの?」と尋ね、その返答内容から話題を少しずつ、自然な流れで変えて意識をそらしていきます。

・意識が帰宅欲求から完全に離れた段階で「では一緒に戻りましょうか?」と声をかけます。

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(症状5)何でもかまわず集める(収集癖)

 認知症高齢者は、ゴミや必要の無い物を拾ってきて、大事にしまい込むことがあります。しかし他人にはゴミや必要の無い物でも集めている本人には意味があるものなのです。

 こうしたことは一時的なものが多いので、害のないものは、しばらく様子観察でそっと見守りましょう。ただ腐ってしまう食料品や不衛生なものは、少しずつ気づかれないように廃棄しましょう。

 

 箱、袋、生ゴミ、ティッシュ、食事の残り物など

    ⇓ 具体的対応

本人に気づかれないように、少しずつ処分しましょう。

  (不潔になりやすいものは、早めに処分)

禁句

「汚いでしょ」

「こんなもの必要ないでしょ」

 

  認知症の方の介護というのは、経験した方でなければ、その負担の大きさは理解しがたいと思われます。その介護負担の大きさから、介護者の健康が損なわれることも少なくありません。そのため介護者がいかに心にゆとりを持って、「頑張り過ぎない介護」を実践できるかが、ポイントとなってきます。

 また同じような思いで認知症介護を経験された方や現在、介護中の方との交流や情報交換等は「孤立しやすい」と言われている在宅での認知症介護者が「自分一人ではない。」「仲間がいる。」という気持ちになれるとのことで大分県内16か所で介護者たちの「集い」が定期的に開催されています。

  中には「若年性認知症 介護者の集い」「男性介護者の集い」等、介護状況にあった「集い」が開催されています。 興味のある方や認知症介護に不安をお持ちの方など、お気軽にご参加してみてはいかがでしょうか。

「問合せ先」大分県社会福祉介護研修センター内

認知症の人と家族の会  大分県支部

代表者:中野 孝子

097-552-6897

(火~金 10時~15時)

 

 当事業所でも認知症に関して、ご質問やご相談も随時、受付しておりますので、お気軽にお問合せ下さい。

                                                                    📞 097-541-0344

 

text =特別養護老人ホーム 玉光苑

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